日本音響学会

音のなんでもコーナー

Q and A (015)

Q:

日常,音響エンジニアの使う略号,用語が分からなくて当惑することがあります。特に,グライコなどから始まってバスレフ,アフレコなど英語なのか日本語なのか,また,外国の人に正確に伝えるにはなんと言えばよいか分かりません。

A:

オーディオ分野では音質に関する表現などデリケートなものが多く,文化,歴史の違いなどもあり,しばしば学会レベルでも話題となっています。学会で刊行している用語集などまめに引いたり,実際に外国人と議論するなど結局,日常努めて意識して調べ,積極的に使ってみるのがよいでしょう。さて,ご質問の幾つかはオーディオマニア(これも日本式で,audiophile,hi-fi Hobbyist,audio enthusiast,audio buff,stereo nut などの表現があります)の用語が多いようです。グライコはもちろん外国人には分からないと思います。正確に,graphic equalizer (英国では equaliser)と言った方がよいです。バスレフも同様に,bass reflex type と言いましょう。また,アフレコは完全な和製英語で,additional recording とか,over dubbing を使うようです。文献1) には,正確には二重(dub) 録音する意味を持たせて,dubbing on a recorded tape のよう にdubbing を使うとあります。 この種の用語を2,3あげてみましょう。アテレコ(=perfectly synchronized recording,good dubbing),オフレコ(=off the recording),プリ・メインアンプ(日本でいう main アンプは,power amplifier,プリ・メイン一緒になったものは integrated amplifier),生録(=live recording) その他,音質用語,略号などは文献を参照して下さい。ついでに,団体,学会などの略号も記しておきます。

AES:Audio Engineer Society (オーディオ協会,米国に本部がある)
BTS:Broadcasters Technical Standard (NHK の定めた放送技術規格)
DIN:Deutshe Industrie Normen (ドイツ工業標準規格)
CCIR:Comite Consultatif international des Radio Communication (国際無線通信諮問委員会)
EIAJ:Electronic Industries Association of Japan (日本電子機械工業会)
FCC:Federal Communication Commission (米国連邦通信委員会)
IEEE:Institute of Electric & Electronics Engineers Inc. IHF:Institute of High Fidelity Inc. (米国 Hi-Fiメーカの団体)
ITU:International Telecommunication Union (国際電気通信連合)
NAB:National Association of Broadcasting (米国放送連盟)
RIAA:Record Industries Association of America (米国レコード工業会)
SMPTE:Society of Motion Picture and tetevision Engineers (映画,テレビジョン技術者協会(米))
文献 1) 片岡和夫,Bryan Harrell,日米オーディオ用語 (誠文堂新光社)

浜田 晴夫(東京電機大・工)