日本音響学会

音のなんでもコーナー

Q and A (175)

Q:

洗濯機などの家電製品は運転状態や測定位置により大きく変化しますが,カタログに記載されている騒音レベルはどのようにして測った値でしょうか。

A:

家電品の騒音測定,表示方法は各社の騒音評価のレベルを合わせるため,それぞれの製品の JIS で (i) 騒音測定の環境,(ii) 使用する騒音計,(iii) 製品の設置の仕方,(iv) 負荷条件,(v) 騒音計の設置方向・距離なとが決められています。更には,近年のマイコン制御,インバータ制御により複雑化した製品の動きの騒音に対応するため,日本電機工業会では自主基準を制定し,騒音測定方法からカタログ値への公表方法まで規定しています。
  洗濯機の例で説明しますと,近年の洗濯機はマイコン,インバータ制御によりモータの回転方向,回転数制御を複雑にコントロールしています。洗いコースでのモータは正回転−停止−逆回転−停止を 1 〜 5 秒間隔に繰り返す場合もあり,変動騒音になっています。騒音レベルの最大値も洗濯物の動きにより一定ではありません。従来,各社の騒音の測定方法は「騒音計の指示値から平均値を求める」「レベルレコーダの波形から平均値を求める」「dB の算術平均で平均値を求める」「dB のエネルギー平均で平均値を求める」などと異なっていて,各社製品カタログ値の騒音を単純に比較するとができませんでした。 そこで,2000 年に日本電機工業会が動き,JIS Z 8731 を参考にして変動音を正しく評価し,測定誤差を少なくする目的で "等価騒音レベル表示" にして,測定法もメーカ間で統一しました。騒音の測定にあたっては定格の洗濯物を投入し,無響室内で製品の 3 面 (右面,前面,左面,騒音計は製品の外郭表面のほぼ中央から 1 m の距離) の等価騒音レベルを測定し,エネルギー平均で騒音レベルを計算しています。騒音レベルの公表値は 3 台の製品を 3 回ずつ測定し,エネルギー平均で求めることになっています。従って,カタログ値で各社の騒音レベルは比較することができます。

五味田 寿光(日立アプライアンス)