日本音響学会

音のなんでもコーナー

Q and A (021)

Q:

水中での通信手段にはどのようなものがありますか。

A:

水中無線通信のほとんどが音波で行われています。これは音波が電磁波に比べ水中での減衰が著しく少ないためです。現在用いられている水中通信装置は,水中通話装置,テレビ画像伝送装置,水中テレメータ式魚群探知機などです。水中音波は空気中の電磁波に比べ5桁も伝搬速度が遅く,使用できる周波数帯域も狭いため,単位時間当たりの情報の伝送量が少なく,また応答も遅れます。最近開発されたテレビ画像伝送装置では,信号処理方法を工夫して伝送速度を上げることに成功していますが,それでも1画面の伝送に8秒を要しています。水中通話装置には,ダイバーと船の通話に用いる最大通話距離500m程度の小型のもの潜水船と船との通話などに用いる最大通話距離 10 km 程度のものなどがあります。搬送周波数が伝搬上 50 kHz 以下にしか選べないため,多くの場合帯域が狭くて済む振幅変調が用いられます。非常に大きく長い虫取り網を海中に入れたような形の網を用いるトロール漁法では,そのトロール網の制御のため,網口付近に小型の魚群探知機を取付け,入網魚,網口の様子,海底の位置などを観測します。 その魚群探知機の信号は FM 超音波などを用いて船上に送られてきます。

古澤 昌彦(水産工学研)