日本音響学会

音のなんでもコーナー

Q and A (022)

Q:

魚群探知機にはどのような周波数が使用されていますか。

A:

およそ 20 kHz から 200 kHz の間の周波数が使用されています。この周波数帯を魚探周波ということもあります。興味のある点は,生物ソナーを持つことで有名なイルカの聴覚感度もこの周波数帯でよいことです。イルカも餌としての魚などを探知するために,長年の進化の結果このように魚探周波の感度がよくなったということは,我々の周波数選択の妥協性を示しています。理論的に考察しても,探知距離が数百 m の場合,現実的な音響系では,やはり,魚探周波でSN比が高くなります。ご存知のように,海中での音波の吸収減衰係数は,ほぼ周波数の2乗で大きくなります。また,一般に高い周波数の方がパルス幅を短く指向性を鋭くし易くなり,分解能を上げることができます。そこで,低周波は遠くから広く探索し易く,高周波は近いところを細かくみるのに適しています。このような特徴によって,周波数を使い分けたり,組み合わせて2周波や3周波の魚群探知機を使ったりします。

古澤 昌彦(水産工学研究所)