日本音響学会

音のなんでもコーナー

Q and A (029)

Q:

しばしばフォノンという用語を耳にしますがこれは何でしょうか。また,音とどのような関係があるのでしょうか。

A:

音あるいは音波を考える場合には,必ずある周波数の波動という意識を持つと思います。音の周波数が高くなって約 20 kHz を越えると,超音波と呼びますが,では,周波数はどこまで高くなるのでしょうか。音という波の変位をつきつめていくと,物質を構成する原子の変位までさかのぼれます。すると,原子間隔よりも短い波長というのは不可能であることはおわかりでしょう。これが高周波数の極限となり,だいたいテラヘルツ(1012 Hz)のオーダーになります。このように,原子サイズが問題となるような音は,フォノンという音の量子の集団運動と考えることができます。波動としての光を量子化して,粒子の性質を合わせ持つフォトン(光子)を考えたのと同じように,フォノンを粒子として扱うこともできます。フォノンとフォトンは混合し易いので注意して下さい。フォノンは音と光,音と電子の相互作用を考える上で重要な概念です。大雑把な言い方を許してもらえば,非常に周波数の高い音,通常はギガヘルツ(109 Hz)以上,をフォノンとして扱ってよいのではないでしょうか。

崔 博(明大・理工)