日本音響学会

音のなんでもコーナー

Q and A (033)

Q:

騒音計の聴感補正回路には,A 特性の他に C や F が付いています。この C と F はどのように使い分ければよいのでしょうか。

A:

騒音計は JIS や計量法で定められた測定器で,人間が感じる騒音の大きさを測定するために,聴覚のラウドネス特性を模擬するための周波数補正回路を内蔵しています。これには A,B,C,D,E の各特性がありましたが,現在の騒音計には A と C が用いられています。また F は,平坦特性の意味で,マイクロホンに入力された音圧に対して周波数特性上全く変化しないものです。従って,音圧そのものを測定できることから“騒音計”としての用途よりも“音圧計”の意味があります。ある音を周波数分析するときには,騒音計の後ろにフィルタを接続して周波数分析をしますが,このときには F 特性としておかなければ正しい分析ができません。C 特性は,F 特性の次に平坦に近い周波数特性を持っていますが,低音域と高音域でやや下がる特性となっています。F 特性を持たない騒音計では,C 特性で周波数分析をします。 以前は大きな騒音(漠然としていますが)を測定する場合に C 特性が使われていたようですが,現在では騒音は A 特性で測定します。そういうわけで C 特性は影が薄くなってきた感がありますが,F と C の特性の違いを利用して周波数分析をすると,測定が精度良くできることがあります。
〈ちょっとした使いかた〉 空調騒音を測定して周波数分析する場合に,低音域(31.5 Hz,63 Hz など)は F 特性にして分析し,それ以上は C 特性として分析する。こうすると,低音成分が大きい空調騒音では F 特性のときの測定レンジと C 特性のときの測定レンジとでは 10〜20 dB 違うことがあるので,高音域を分析する場合に騒音計の自己ノイズの影響を軽減することができます。

矢野 博夫(東大・生研)