日本音響学会

音のなんでもコーナー

Q and A (099)

Q:

最近の集合住宅に「ディスポーザ」が取り付けられる事例が見受けられますが,「ディスポーザ」を使った場合に生じる騒音の問題と対策方法について教えて下さい。

A:

「ディスポーザ」とは,厨房の流し台の下に取り付けられ,厨芥(生ゴミ)を粉砕し,排水管に水と共に流し込む厨芥粉砕機のことです。このディスポーザの普及は米国の家庭では普及率53%程度と一般家庭の半分以上が使用しているといわれており,米国においてディスポーザは生活必需品の一つとなっています。我が国においては,約40年前に米国からの輸入が開始され,現在では4社の国内メーカもディスポーザの製造を行っています。現在,7,000戸以上にディスポーザの導入実績があり,今後も採用される住戸が増加されることが予想されます。ただし,米国では,一般の人がホームセンターなどで購入して自ら設置する方法が一般的ですが,我が国では,専門業者による設置が必要となります。我が国の公共下水道は台所の生ゴミ流入を考慮した施設となっておらず,下水道への負担が大きくなるため,ディスポーザにより粉砕された厨芥を処理する処理器,処理施設の設置が必要となるからです。また,集合住宅等では,音のトラブル発生の防止のためにも専門業者による設置が必要と考えます。
 ディスポーザは,スイッチを入れるとフライホイルが回転し,ホッパにためられた厨芥は,ハンマとシュレッダにより粉砕され,排水管へ水と共に流します。この時の発生音・振動が他住戸に伝搬し,影響を与えることになります。発生音の影響よりも振動から発生する固体音の影響の方が大きく,固体音に対する対策を実施した方が効果的です。対策方法には,?浮床の上に流し台を設置する方法。?ディスポーザ本体を床から防振支持する方法。?ディスポーザ本体をシンクから防振吊りする方法。等が考えられますが,実際には?の方法が多く採用されています。防振系の固有振動数を十分に低くすることにより,何も対策を施さない場合と比べて15dB以上も小さくなるという実験結果も発表されており,実用化されているものもあります。
 ディスポーザは使用者の意識によって大部分は解決される種類の騒音源と考えられますが,我が国では歴史も浅く,発注者や使用者側の要求性能を満足するためにも,まだまだデーターの蓄積が必要と考えます。また,無責任な悪徳業者等による一般家庭への販売によるトラブルも発生しており,使用者に対する正確な知識の伝達も必要でしょう。

(河原塚透:大成建設技術センター)