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音響遺産

日本音響学会は,音響学および音に関わる事象を広く一般に伝えることを目的とし,主として一般の方々の耳目に触れる機会があり,かつ音響的な特徴を持つ具体的事象および事物に対して,「音響遺産」として認定を行っております。

認定音響遺産一覧

 

第4回(2023年)音響遺産
旧東京音楽学校奏楽堂(公益財団法人 台東区芸術文化財団)
選定理由 東京藝術大学音楽学部の前身である東京音楽学校の校舎として、日本最古の洋式音楽ホールを擁して1890年に建築され、その音響特性は研究対象としても多々取り上げられている。付属するパイプオルガンはコンサート用として日本最古でもある。これらの歴史および音響学的観点から音響遺産として価値の高い建築物であると認める。

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水琴窟(瑞巌山 圓光寺)
選定理由 日本庭園の装飾の一つである水琴窟は,手水鉢の排水を処理する機能に,水音を響かせる構造も持たせたもので,日本文化の音に対する高い感性を表している。本庭園の水琴窟は,特に共鳴音を大きくする構造を備えており,その歴史および文化的観点から音響遺産として価値の高い構造および事象であると認める。

 


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ダブルボタンマイクロフォン(NHK放送博物館)
選定理由 日本のラジオ放送において初めて使用されたマイクロフォンであり,当時の姿で保存され展示されている歴史的価値を考えると,音響遺産にふさわしい。

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第3回(2022年)音響遺産
時の鐘(埼玉県川越市)
選定理由 創建された江戸時代の初期から,暮らしに欠かせない「時」を告げ,再建を重ねながら小江戸川越のシンボルとして,川越の街の欠かせない音風景のひとつとなっている。我々の生活と音との関わりを現している点で,価値の高い建築物および事象であると認める。

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量産型国産補聴器第一号 (リオン株式会社 所蔵)
選定理由 ミニチュア管と呼ばれる真空管を用いて小型化を試みた国産初の電気式かつ量産型補聴器の第一号である。発売は 1948 年と戦後間もなくであり,その後の国産補聴器の礎となった点は,音響遺産にふさわしい。

 


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第2回(2021年)音響遺産
蘇言機 (国立科学博物館 所蔵)
選定理由 日本で最初に音を記録し再生した蓄音機であり,音響学を基礎として発展していく録音再生技術の開始点となった。録音再生技術の発展は,音楽に代表される音響芸術や娯楽を支え,さらに再現性のある音の科学的な研究にも貢献しており,日本の音響学における記念すべき出来事および価値の高い事物であると認める。

 

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マグノスコープ(電気聴診器) (東北大学電気通信研究所 所蔵)
選定理由 音響学と医学とは,超音波画像診断、聴覚医学,音声言語医学などの分野において,現代では深い関わりを保っている。その原点ともなるべき医工学連携に音響学の成果が活かされた価値の高い装置であると認める。

 


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第1回(2019年)音響遺産
函館ハリストス正教会 鐘楼の鐘の音 (北海道函館市)
選定理由 函館ハリストス正教会の鐘楼の鐘の音は,すでに環境省による「日本の音風景100選」に選ばれているところではあるが,大小6個の鐘が織りなす荘厳な鐘の響きとその美しい音色は,北の大地にふさわしい音風景として価値が高いと認められる。

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本地堂(薬師堂)の鳴竜 (栃木県日光市)
選定理由 日光の本地堂(薬師堂)の鳴竜は手あるいは拍子木をたたくと,天井に描かれた竜が鳴くという社寺にふさわしい神秘的な現象である。一方,音響学の分野においては,対向壁のある音空間において,パルスを発生させたときに起こる多重反射音のことを日光の鳴竜になぞらえて鳴竜現象と呼ぶことが多い。このように本地堂(薬師堂)の鳴竜は一般の参拝者にも,音響学に携わる者にも影響を与えている価値の高い音であると認められる。

© 本地堂(薬師堂)
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